竹久夢二専門美術館で楽しむ夢二生誕140年記念展
2024年は大正ロマンを代表する画家・竹久夢二の生誕140年にあたり、全国の美術館で記念イベントが開催されます。夢二の誕生日や生涯をたどる展覧会、特別展示、巡回展など、夢二ファンには見逃せない企画が目白押しです。岡山県の夢二郷土美術館や東京都の弥生美術館、群馬県の竹久夢二伊香保記念館、石川県の金沢湯涌夢二館など、各地で夢二の作品と人生に触れられる貴重な機会が提供されます。夢二の多彩な才能と大正ロマンの世界観を堪能できる1年となるでしょう。
夢二の誕生日
竹久夢二は1884年(明治17年)9月16日に岡山県邑久郡本庄村(現在の瀬戸内市邑久町)の酒屋の次男として生まれました。本名は竹久茂次郎で、姉の松香は7歳年上でした。同年12月、一家は福岡県遠賀郡八幡村大字枝光に転居しています。夢二という筆名を初めて用いたのは、『中学世界』に応募したコマ絵「筒井筒」が第一賞に入選した時のことでした。
夢二生誕140年の期間は、夢二イヤーだ!!
夢二の生誕140年・没後90年
竹久夢二は1884年9月16日に生まれ、1934年9月1日に49歳で亡くなりました。したがって、夢二の生誕140年は2024年9月16日から2025年9月15日までの1年間となります。没後90年も、2024年9月1日から2025年8月31日までとなります。この期間中、全国の美術館で夢二の生誕140年・没後90年を記念した展覧会が開催される予定です。
弥生美術館・竹久夢二美術館の概要
弥生美術館・竹久夢二美術館は、東京都文京区にある美術館で、二つの美術館は同じ建物内で見学ができます。
竹久夢二美術館は、竹久夢二の作品を中心に展示しており、都内で唯一夢二作品を常設展示している美術館として知られています。弥生美術館は1984年に開館し、竹久夢二美術館は1990年に開館しました。夢二が恋人の笠井彦乃と逢瀬を重ねたといわれる「菊富士ホテル」の近くに位置しています。美術館では、夢二の日本画、油絵、書、原画、スケッチ、版画、デザイン、著作本、装幀本、雑誌、遺品など3300点以上の作品を所蔵しており、常時200〜300点が展示されています。年4回、3カ月ごとに企画展を行い、毎回異なるテーマや切り口で夢二の新しい魅力を紹介しています。美術館に併設された「夢二カフェ 港や」では、夢二が1914年に開店した小間物店「港屋絵草紙店」にちなんだメニューが楽しめます。緑に囲まれたレトロな雰囲気の中で、大正ロマンの世界観を味わえると人気です。竹久夢二の作品と人生に触れられる貴重な美術館。夢二ファンのみならず、大正ロマンに興味のある方におすすめのスポットです。
夢二郷土美術館本館・夢二生家記念館・少年山荘の概要
夢二郷土美術館本館・夢二生家記念館・少年山荘は、大正ロマンを代表する詩人画家・竹久夢二のふるさと岡山県瀬戸内市にある美術館です。夢二芸術の原点を体感できる場所として知られています。
夢二生家記念館は、夢二が16歳までを過ごした築約250年の茅葺き屋根の生家を美術館として公開しているもので、夢二の素描や版画などが展示されています。
少年山荘は、夢二が晩年に自ら設計し東京に建てたアトリエ兼住居を復元したもので、夢二唯一の建築作品とも言えます。
夢二郷土美術館本館では、夢二の作品を中心に展示しており、2024年の生誕140年に向けて、夢二の油彩画《アマリリス》を、いち早く夢二のふるさと岡山で2024年5月に5日間の期間限定で特別初公開され、「YUMEJI×FASHION」などの企画展が予定されています。
岡山ブルーライン邑久ICから車で約3分、JR邑久駅からバスまたはタクシーで約10分の場所に位置し、駐車場も完備されています。夢二のルーツを辿り、大正ロマンの世界観を堪能できる美術館として人気を集めています。
竹久夢二伊香保記念館の概要
竹久夢二伊香保記念館は、群馬県渋川市伊香保町にある公益財団法人の美術館です。大正ロマンを代表する画家・竹久夢二の作品を展示しており、夢二ファンの間で人気のスポットとなっています。
館内には、夢二が伊香保を訪れた際に描いた作品や、美人画、子供絵、デザイン画、装丁本、詩歌、スケッチ帳など、夢二の多彩な才能を感じられる作品が展示されています。
夢二作品以外にも、大正時代の調度品やオルゴール、ピアノなども展示され、五感で大正ロマンの世界観を味わえます
敷地内には「大正ロマンの森」と呼ばれる庭園があり、季節の花々や小鳥のさえずりを楽しめます。
併設された「港屋サロン」では、夢二ゆかりのメニューを味わうこともできます。
開館時間は9時から17時(最終入館16時)で、「港屋サロン」は不定期営業となっています。
竹久夢二の魅力が詰まった美術館で、夢二の芸術と人生に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
金沢湯涌夢二館の概要
金沢湯涌夢二館は、石川県金沢市湯涌温泉にある金沢市立の美術館及び文化施設です。
詩人画家・竹久夢二が1917年(大正6年)に「永遠の恋人」である笠井彦乃とともに湯涌温泉に3週間滞在したことにちなんで創設されました。
館内では、夢二の作品や遺品など約2600点を所蔵・展示しており、夢二の芸術性を紹介しています。 絵のモデルとなった彦乃やたまき、お葉の写真なども展示されています。
開館時間は9時から17時30分(入館は17時まで)で、年中無休(ただし展示替時休館)となっています。 金沢市湯涌町イ144-1に位置し、電話番号は076-235-1112です。
竹久夢二が愛を育んだ湯涌温泉で、夢二の芸術と人生に思いを馳せられる美術館です。 金沢を訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
竹久夢二美術館の夢二生誕140年記念展
弥生美術館・竹久夢二美術館では、夢二生誕140年を記念した展覧会が開催されます。
- 2024年7月6日から9月22日まで、「生誕140年記念 竹久夢二の軌跡」展が開かれます。
- 明治末期のデビューから昭和初期までの約30年に及ぶ夢二の画業と人物を、新収蔵を含む約250点の所蔵作品と資料で紹介します。
- 会期中、約60点の作品を入れ替える中間展示替えが行われ、前期(7/6〜8/12)と後期(8/14〜9/22)で異なる作品が楽しめます。
- 7月20日、8月18日、9月16日の午後2時からは、担当学芸員によるギャラリートークも開催されます。
- 開館時間は午前10時から午後5時(入館は4時30分まで)、休館日は月曜日(祝日の場合は開館)です。
- 入館料は一般1000円、大学・高校生900円、中学・小学生500円で、二つの美術館は同じ建物内で見学ができ、上記料金で二館併せてご覧いただけます。
竹久夢二の生涯と作品の魅力を存分に味わえる、生誕140年にふさわしい内容の展覧会です。この機会にぜひ足をお運びください。
夢二郷土美術館の夢二生誕140年記念巡回展と特別展
夢二の生地・岡山県の夢二郷土美術館では、生誕140年を記念した全国巡回展や特別展が開催されます。
2024年5月15日から19日まで、夢二の油彩画《アマリリス》が一般初公開される特別限定展示が特別限定展示が行われました。
6月11日から9月1日まで、夢二郷土美術館本館で企画展「YUMEJI×FASHION」が行われています。
夢二生誕140年記念・本館移設開館40周年記念『YUMEJI×FASHION』 |
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会期 2024年6月11日(火)~9月1日(日) |
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日)、8月6日(火)~18日(日)は休まず開館 |
入館料(税込)大人800円、中高大学生400円、小学生300円 |
※20名以上の団体は2割引、岡山県内の65歳以上の方は証明できるもののご提示で1割引。割引の併用は不可。 |
※ゆめびぃ会員は入館無料 |
夢二の生地を訪れ、彼の生誕140年を祝う展覧会の数々を堪能してみてはいかがでしょうか。
竹久夢二伊香保記念館の夢二生誕140周年記念企画展
「いとしきひと」と「港屋の美しいもの可愛いゝもの」
竹久夢二伊香保記念館では、2024年の夢二生誕140周年を記念して、2つの特別企画展が開催されます。
- 竹久夢二生誕140周年記念企画展Ⅰ 「いとしきひと」
- 会期:2024年4月27日(土)~ 2024年9月23日(月・祝)
- 内容:最愛の人・彦乃をはじめ、有島生馬、恩地孝四郎、野長瀬晩花など、夢二を慕った人々とゆかりのある作品を中心に展示。夢二の交友関係や人となりを紹介。晩年の夢二を支えた伊香保・榛名の地を描いた作品も併せて展示。
- 竹久夢二生誕140周年記念企画展Ⅱ 「港屋の美しいもの可愛いゝもの」
- 会期:2024年10月1日(火)~ 2025年3月31日(月)
- 内容:夢二が東京日本橋に開いた雑貨店「港屋絵草紙店」の開店110年を記念し、港屋のために描き下ろした浴衣や半襟の図案、絵封筒や手拭いなどの商品を展示。夢二が世に送り出した"美しいもの可愛いゝもの"を紹介。
竹久夢二の芸術と人生を多角的に振り返る、生誕140年にふさわしい充実した内容の企画展です。大正ロマンあふれる夢二ワールドを存分に堪能できる1年となりそうです。
金沢湯涌夢二館の企画展 夢二の絵入小説「風のやうに」
- 金沢湯涌夢二館では、2024年4月27日から8月25日まで、企画展「夢二の絵入新聞小説『風のやうに』―ストーリーのある夢二式美人画―」が開催されます。
この展覧会では、以下の内容が紹介されます。
竹久夢二が大正13年に新聞連載した絵入小説「風のやうに」を紹介
挿絵の各場面にあわせ、憂い顔で思案する女性や手や袖を描いた類似作品も展示
夢二が大正13年に『大阪朝日新聞』に連載した「風のやうに」の挿絵原画と本文を展示
「風のやうに」の物語の流れに沿って、夢二が描いた美人画の数々を紹介
夢二の美人画の特徴である、物語性のある表情豊かな女性像を堪能できる内容
開館時間は9時00分から17時30分(入館は17時まで)です。 金沢湯涌夢二館ならではの視点で、夢二の絵画の魅力に迫る展覧会となっています。